1私の父 二代目院長 安陪常正は、6年前、脳梗塞で倒れ右片麻痺になりました。一命は取り留めたものの脳の8箇所に梗塞が出来、「生涯車椅子も覚悟して下さい」とお医者様に言われた時には、家族皆、目の前が真っ暗になりました。
脳梗塞に限らず、脳の病気は少しやっかいです。何しろ脳は体の司令塔なのですから。ある日突然体が動かなくなり、言葉も発せなくなる。昨日まで出来たことが今日は出来ない。それは身体だけでなく、心にも深いダメージを与えます。
16年前に倒れた父も、本人が一番辛かったと思います。しかし、泣いていても始まりません。私達家族は毎日交替で病院に通い、寝たきりの父の麻痺した右半身が固まらないよう関節を動かし、全身をマッサージし、脳のツボを刺激し続けました。
やがて父は起き上がれるようになると病室のベット上で坐禅を始めました。病院食の白米では力が出ないと、栄養士さんに掛け合って玄米食を許可してもらい、私達が家からお結びにして運びました。
立ち上がれるようになると、病院のリハビリではとても足りない、何とか歩けるようになりたいと、足を引ききずりながら階段の上り下りを行い、とうとう杖をつきながら歩けるようになりました。
退院後も温泉療法で体を温め→リハビリ→指圧治療を繰り返し行いました。
そして、今年9月に亡くなるまで、世界各国に幾度となく出かけ温泉研究を続けるまでに元気に回復。
(もう少し養生していればより長生きできたのかもしれませんが、「太く短く。日々その瞬間を懸命に生きる」がモットーの父に、悔いは無かったと思います)
ある時、父は自分が脳梗塞で倒れたことで、同じ病気で苦しむ人の辛さ、どこが急所のツボであるのか分かる様になった、非常に勉強になった、と言っていました。そんな父の体を治療していた私達も同じ気持ちです。
父のように回復したいと訪れる同病の患者さまを沢山治療してきましたが、皆さん不思議と、同じツボに涙が出るほどの異常な痛みを感じられます。そして、自宅では毎日リハビを頑張ってもらい(特に歩くこと)、週に1~2回定期的に指圧治療を行っていくと、その異常な痛みが徐々に心地よい痛みに変化してきます。
人によっては薄皮をはぐようにゆっくりですが、確実に体は良い方向に変わっていきます。体は実に正直です。努力は決して裏切りません。
最近は脳梗塞の兆候があればすぐに病院へ行って処置をすればそこまで重症にはならずに済みます。何かしらろれつが回らない、手足が動かず痺れるなどあればすぐに病院へ行くことをお勧めします。
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